捩れる(読み)ネジレル

デジタル大辞泉 「捩れる」の意味・読み・例文・類語

ねじ・れる〔ねぢれる〕【×捩れる/捻れる/×拗れる】

[動ラ下一][文]ねぢ・る[ラ下二]
細長いものが、くねり曲がる。ねじられた状態になる。「コードが―・れる」
気持ちが素直でなくなる。ひねくれる。素直なやり取りができない状態になる。「性根が―・れている」「あの一言を機に上司との関係が―・れてしまう」
本来の関係からずれた状態にある。うまく対応せず、ちぐはぐな関係になる。「党本部と県支部が―・れたまま選挙戦に突入」
[補説]「腹がねじれるほどおかしい」などという表現を見かけるが、「腹の皮がよじれる」からの誤用か。
[類語]曲げるひねるよじるねじるよじれるたわめるねじ上げるねじ向けるれる捻転

よじ・れる〔よぢれる〕【×捩れる】

[動ラ下一][文]よぢ・る[ラ下二]ねじってまげたような状態になる。ねじれる。「ベルトが―・れる」「腹が―・れるほどおかしい」→腹の皮が捩れる
[補説]「腹がよじれる」は「腹の皮がよじれる」の省略形か。
[類語]曲げるひねるよじるねじれるねじるたわめるねじ上げるねじ向けるれる捻転

もじ・れる〔もぢれる〕【×捩れる】

[動ラ下一][文]もぢ・る[ラ下二]ねじれる。よじれる。
「十二筋の縄縦横に―・れてさばきむつかしき事を」〈三冊子・黒双紙〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「捩れる」の意味・読み・例文・類語

ねじ・れるねぢれる【捩・捻・拗】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ねぢ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. くねり曲がる。ひねり曲がる。ねじられた状態になる。ねじくれる。よじれる。
    1. [初出の実例]「秦望山と云山を、あるかれたに大な松のかがみねぢれわだかまり屈曲して大な笠や盖(かい)のやうにあったぞ」(出典:玉塵抄(1563)四四)
  3. 性質が素直でなくなる。ひねくれる。
    1. [初出の実例]「なかなか浮いたことでは無し、それを茶にして能うも聞かで味に捩(ネヂ)れた物の言ひやう」(出典:椀久物語(1899)〈幸田露伴〉六)

よじ・れるよぢれる【捩】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]よぢ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. ひねったように曲がる。ねじれる。よれる。
    1. [初出の実例]「オビ ガ yojireteiru(ヨジレテイル)」(出典:和英語林集成初版)(1867))
  3. 気持などがねじ曲がる。ふてくされる。また、すねる。
    1. [初出の実例]「こと更、床のうちよしれて見せ、心もちもたれたるよし」(出典:評判記・吉原すずめ(1667)下)

もじ・れるもぢれる【捩】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]もぢ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 よじれる。ねじれる。ひねれる。
    1. [初出の実例]「髪の青い毛がもぢれまるがってくうだやうなを螺と云ぞ」(出典:玉塵抄(1563)五〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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