掛替(読み)かけがえ

精選版 日本国語大辞典 「掛替」の意味・読み・例文・類語

かけ‐がえ ‥がへ【掛替】

〘名〙 (「かけかえ」とも)
① かけかえること。とりかえること。
愚管抄(1220)四「宇治のかけかへの所々へ引替の牛参らせよとて」
江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉三「殊に明治四十四年まで都合十二回の架換(カケカ)へは総て木橋で」
② 後の用意のために、同じものを代わりとして備えておくこと。また、そのもの。かわり。
※三体詩幻雲抄(1527)「第一腸断は此間被(き)て舞た裙の上に琵琶の絃を結びつけたこれはかけかえの用にもつぞ」
記念碑(1955)〈堀田善衛〉「靴下シャツのかけがえ」

かけ‐か・える ‥かへる【掛替】

〘他ア下一(ハ下一)〙 かけか・ふ 〘他ハ下二〙 今まで掛けてあったものをはずして、別のものを掛ける。今まで掛けてあった場所からはずして、他の場所に掛ける。ある動作作用を他に移す。
源氏(1001‐14頃)総角「みすかけかへ、ここかしこかき払ひ」
明暗(1916)〈夏目漱石五八病院の方を切った彼女は、すぐ岡本へ掛(カ)け易(カ)へて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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