景気(読み)ケイキ

デジタル大辞泉 「景気」の意味・読み・例文・類語

けい‐き【景気】

売買や取引などに現れる経済活動の状況。特に、経済活動が活気を帯びていること。好景気。「景気が上向く」「景気が回復する」「景気のいい店」
活気があること。威勢がよいこと。「一杯飲んで景気をつける」「景気よく太鼓を打ち鳴らす」
人気。評判。
牛肉伝染病のふうぶんで大きに―を落としましたが」〈魯文安愚楽鍋
物事のようす。ありさま。また、情景。景色。
「幾分いかめしい―を夜陰に添えたまでで」〈漱石・彼岸過迄〉
和歌連歌俳諧で、景色や情景のおもしろさを主として詠むこと。景曲。「景気の句」
[類語](1景況市況商況商状気配売れ行き金回り/(2元気活気意気威勢気勢士気精気溌剌志気勢力威力権勢権力実権勢い猛威暴威

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精選版 日本国語大辞典 「景気」の意味・読み・例文・類語

けい‐き【景気】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事の様子。ありさま。気配。また、景色。眺望。
    1. [初出の実例]「景気蕭条日漸傾。不堪事々遇冬情」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)五・初冬即事〈藤原茂明〉)
    2. 「前に龍の旗たててゐ給ひたりし景気」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  3. 和歌、連歌、俳諧で、景色や情景が写生的に、しかも知的な興趣をふまえてよみ出されたもの。歌論の景曲体より出たもの。景曲。〔連理秘抄(1349)〕
  4. ( 形動 ) 物事の勢い。活動の具合。多く、元気のあること。威勢のよいさま。
    1. [初出の実例]「道具の混乱せぬやうに景気(ケイキ)よう流しませうぞ」(出典:浮世草子・世間子息気質(1715)一)
    2. 「馬車は以前よりも景気(ケイキ)好く走り」(出典:帽子(1906)〈国木田独歩〉)
  5. 商売や取引などの状況。また、社会全体の経済活動の状態。特に、好景気をさす場合もある。
    1. [初出の実例]「大分賑さ。霜枯の景気(ケイキ)ぢゃアございません」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)二)
    2. 「我が物産貨物をば其富あるが故に高貴なる価値を以て之を交易し、景気能き市場を以て之に与ふる者なり」(出典:将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉五)
  6. 劇場の表につける飾り物。転じて、外観の美。
    1. [初出の実例]「表のけい気がりっぱになひと、どむならんとおもふて」(出典:咄本・諺臍の宿替(19C中)一二)
  7. 人気。評判。
    1. [初出の実例]「せっかくひらけかかった牛肉も伝染病のふうぶんで大きなけい気(キ)をおとしましたが」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)

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就活用語集(就活大百科 キーワード1000) 「景気」の解説

景気

「景気」とは、「経済状況が好調か不調か」を表現するときに頻繁に使用される経済関連のキーワードです。たとえば経済状況が好調の場合は「好景気」、不調の場合は「不景気」と表現されます。企業活動とは、将来を予測しながら行うものです。たとえば、将来の景気はさらに好調そうだと予測できれば、企業は設備投資従業員の採用を増やし、生産力・販売力をアップさせ、利益拡大を実現するための布石を着々と打っていくでしょう。一方、今の景気は好調だが将来は下り坂(不景気)になりそうだと判断されれば、企業はリストラなどを行い、スリム化をはかり、収益低下に備えます。もしも、このスリム化の動きが遅ければ企業が無駄を抱え利益を上げることができません。このように景気判断(&予測)は企業活動にとって重要であり、ひいては税収などの点で国にとっても重要な要素ですので、内閣府・日銀、経済産業省などが、景気の先行きを判断するうえでの基礎となるものを発表しています。たとえば以下のようなものです。■資本金1億円以上の企業の設備投資実績や計画、経営者の景気に対する判断・手応えを調査したもの■日本国内各地域の景気状況■雇用や労働時間状況の現状と予測を調査したもの(忙しいと雇用が増え、労働時間が長くなる)

出典 マイナビ2012 -学生向け就職情報サイト-就活用語集(就活大百科 キーワード1000)について 情報

普及版 字通 「景気」の読み・字形・画数・意味

【景気】けいき

季節のようす。ありさま。唐・韓〔独り釣る、四首、三〕詩 獨りく南の上(ほとり) 秋晨、景氣醒(さ)む

字通「景」の項目を見る

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