末の契(読み)すえのちぎり

改訂新版 世界大百科事典 「末の契」の意味・わかりやすい解説

末の契 (すえのちぎり)

地歌・箏曲曲名松浦検校作曲の京風手事物。箏本手を浦崎検校(1810登官),箏替手を八重崎検校が作曲したが,現在は,前半は本手を用い,〈荒磯伝ふ〉から替手の箏をつないで利用している。作詞後楽園とも四明居(しめいきよ)とも号した三井次郎右衛門高英。寄る辺のない恋の末の契りを願う女心を歌っている。手事には三味線組歌揺上(ゆりかん)》の前弾きの手をとり入れている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「末の契」の意味・わかりやすい解説

末の契
すえのちぎり

地歌・箏曲の曲名。京風手事物。松浦検校作曲。箏の手付は浦崎検校。一説に八重崎検校の手付ともいわれる。作詞5世三井次郎右衛門高英 (俳号は後楽園・四明居) 。荒磯に漂う蜑小舟 (あまおぶね) にせつない恋心をたとえ,末永い契りを願うという内容。構成は,前歌-手事 (ツナギ・マクラ・手事・チラシ) -後歌。手事には三味線組歌『揺上 (ゆりかん) 』の前弾き3段の手が用いられている。三弦は三下り,箏は低平調子 (山田流では雲井調子) 。

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