枯木(読み)コボク

デジタル大辞泉 「枯木」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぼく【枯木】

枯れた立ち木。かれき。「枯木寒鴉かんあ 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「枯木」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぼく【枯木】

〘名〙
① 枯れた立木。かれき。
※江吏部集(1010‐11頃)上・春日陪左相府東閣同賦逢春唯喜気「寒江漸暖潜魚躍、枯木半栄好鳥吟」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「池に金魚あり。枯木に寒鴉あり」 〔史記‐鄒陽伝〕
② 仏語。禅門で、一点の情念もないこと、無心であることにいう。
※正法眼蔵(1231‐53)龍吟「外道は枯木を談ずといへども、枯木をしらず、いはんや龍吟をきかんや」
書道で、筆法の一つ。
異制庭訓往来(14C中)「張即之有藤花、雲行楊柳、枯木之四法

かれ‐き【枯木】

〘名〙 (「かれぎ」とも) 葉の落ちた立ち木。枯れはてた樹木。また、老いて生気を失ったもののたとえ。枯れた樹木。からき。《季・冬》
古事記(712)下「其の立てる足は荻原(すすきはら)の如く、指挙(ささ)げたる角は枯樹の如し」
※俳諧・猿蓑(1691)三「三葉ちりて跡はかれ木や桐の苗〈凡兆〉」

から‐き【枯木】

新撰字鏡(898‐901頃)「枯 加良木」

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普及版 字通 「枯木」の読み・字形・画数・意味

【枯木】こぼく

かれた木。漢・司馬相如〔猟を諫むる〕今陛下、阻險を陵(しの)ぎ、猛獸を射ることを好む。卒然として軼材(いつざい)の獸にはば、~人は巧を施すに暇(いとま)あらず。~力、用ふることを得ず、枯木朽株も、盡(ことごと)くを爲さん。

字通「枯」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の枯木の言及

【サンゴ(珊瑚)】より

… サンゴが着生する岩礁,広い意味ではサンゴ採取の海域を,水深に関係なく曾根(そね)と呼び,底引網の一種であるサンゴ網を使ってサンゴ原木が採取される。原木は採取時の状態によって,(1)海底に着生し,サンゴ虫が木に付着して成育している〈生木(なまき)〉または〈新木(しんき)〉,(2)木は海底に固着しているが,サンゴ虫はすでに枯死している〈枯木(かれき∥しやれぎ)〉,(3)海底に倒れて,木の外部が腐食をうけている〈落木(おちぎ)〉の三つに分類される。 宝飾用に使われるサンゴは八放サンゴ類のうちの〈貴重サンゴ(いわゆる本サンゴ)〉で,色合いによって,赤色,桃色,白色に三大別される。…

※「枯木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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