根尾谷(読み)ネオダニ

デジタル大辞泉 「根尾谷」の意味・読み・例文・類語

ねお‐だに〔ねを‐〕【根尾谷】

岐阜県西部、本巣もとす市の根尾川上流域の称。

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日本歴史地名大系 「根尾谷」の解説

根尾谷
ねおだに

根尾川上流の根尾西谷ねおにしたに川・根尾東谷川流域をいい、現町域の大部分を占める。建武四年(一三三七)正月二八日の佐竹義基軍忠状写(秋田藩採集文書)によれば、根尾山凶徒らが南朝方の佐竹播磨権守義教に同心、義基勢と合戦している。暦応二年(一三三九)一一月日の天野政貞軍忠状写(天野毛利譜録)によれば天野氏が根尾での合戦で軍忠をたてている。同三年七月日の大友氏泰代官宗蓮ほか重陳状案(大友文書)によれば、同元年南朝北畠顕家とその与党根尾山凶徒らが仲村なかむら(現本巣町一帯)乱入、種子料などを奪ったという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「根尾谷」の意味・わかりやすい解説

根尾谷
ねおだに

岐阜県南西部、越美(えつみ)山地を南流する根尾川の上流域にあたる谷。その最上流部から下流の根尾川東岸は本巣(もとす)市に、西岸は揖斐(いび)郡揖斐川町および大野町に属する。1891年(明治24)の濃尾(のうび)地震のとき発生した、本巣市根尾水鳥(みどり)の活断層は有名である。かつては越前(えちぜん)との交流の多かった最奥部の諸集落は廃村化している。本巣市の根尾能郷の猿楽(さるがく)狂言揖斐川町の谷汲徳積(たにぐみとくづみ)の古刹(こさつ)華厳(けごん)寺や谷汲踊りも有名。樽見(たるみ)鉄道延長開通(1989)で、地域の活性化が期待されている。

[上島正徳]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根尾谷」の意味・わかりやすい解説

根尾谷
ねおだに

岐阜県西部,本巣市中部に位置する河谷揖斐川の支流,根尾川中流部にある。古くからの林業地で,人工造林美林が多い。1891年の濃尾地震により生じた地表地震断層水鳥断層崖は,「根尾谷断層」として国の特別天然記念物指定。このほか,国の特別天然記念物指定の根尾谷の菊花石,国の天然記念物指定の根尾谷淡墨ザクラがある。

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世界大百科事典(旧版)内の根尾谷の言及

【根尾川】より

…本巣町山口で濃尾平野に出て扇状地を形成,扇端部で揖斐川に合流する。上流域は根尾谷と呼ばれ,ほぼ根尾村の範囲に一致する。根尾川上流の本・支流の流路は,北西~南東の走向をもつ根尾谷断層に支配されているところが多く,根尾西谷川沿いの根尾村能郷から平野にかけての谷は,この断層谷にあたる。…

※「根尾谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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