桃尻(読み)モモジリ

デジタル大辞泉 「桃尻」の意味・読み・例文・類語

もも‐じり【桃尻】

《桃の実の尻(実際は頭)が、とがっていてすわりの悪いところから》
馬に乗るのがへたで、尻が鞍の上に安定しないこと。
「―にて落ちなんは、心憂かるべし」〈徒然・一八八〉
尻の落ち着かないこと。
「日々に港口へ催促しつつ、―してぞ居たりける」〈読・近世説美少年録・二〉
[補説]近年本来意味から外れ、丸く張りのある尻を「桃尻」ということが多くなっている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「桃尻」の意味・読み・例文・類語

もも‐じり【桃尻】

〘名〙 (桃の果実の尻(実際は頭)がとがってすわりの悪いところから)
① 馬に乗ることが下手で、尻が鞍(くら)に落ち着かないこと。また、そのような腰つき。
明衡往来(11C中か)上本「内侍御前帯刀某丸、忽以落馬。所騎者駑駘也。是桃尻之所致歟」
徒然草(1331頃)一八八「馬など迎へにおこせたらんに、ももじりにて落ちなんは、心憂かるべし」
② (━する) 尻をもじもじさせ、座に落ち着かないこと。落ち着きなく体を動かすこと。
※浮世草子・好色敗毒散(1703)一「人中にてものさへいへば粋かと思ひ、桃尻(モモジリ)してゐる人に、めかりもきかさず長口上をこねまはし」
③ 一つの場所、一つの仕事に落ち着いていることのできないこと。また、その人。

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