図のように1点Cでささえられた棒のB点に荷重Wが加わったとき,他の1点Aに力Pを加えて棒をつりあわせることができる。このときWとPの間には次の関係がある。
したがって,長さACが長さBCより十分長いようにすれば,小さな力で重い物をささえたりもち上げたりすることができる。このような棒を〈てこ〉と呼ぶ。C点を支点,A点を力点,または作用点,B点を荷重点という。てこはこれら3点の位置関係によって分類され,図のように力点と荷重点が支点の両側にあるものを第1種のてこ,1端が支点になっていて,力点のほうが荷重点よりも支点から遠方にあるものを第2種のてこ,同じく1端が支点で,第2種と逆に荷重点の方が遠方にあるものを第3種のてこと呼んでいる。てこの原理は,日常,重い物を動かすのに応用され,また,はさみ,ポンプの柄,スパナなどに広く利用されている。てこの原理は,アルキメデスが数学的に証明した。なお,はかりとして使用されるてこは槓杆(こうかん)と呼ばれる。
執筆者:堀 幸夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…図1のような,4本の棒(リンクあるいは節と呼ばれる)を結合した装置を四節回転機構というが,リンクaを固定して,リンクbを回転させるとcおよびdは往復運動をする。このとき固定点(B)のまわりに360度回転するbをクランク,固定点(A)を中心として往復運動をするdをてこといい,このような機構をてこクランク機構と呼ぶ。図2ではa,c両リンクとも固定点のまわりに360度回転するので二重クランク機構と呼ばれる。…
…いくつかの剛体をピンなどで結合して相対運動が可能なようにした機械部品の組合せは,身の回りにも広く利用されている。ミシンの踏板の動きが針に伝えられて針に上下運動をさせたり,自転車のブレーキレバーの動きがブレーキシューやブレーキ帯の動きに伝えられるのも,すべてこのような剛体(細長い棒の形が多い)が連結された機構の利用によるものである。この例のように,数個の剛体を回転自在のピンで結合して,各部分の動きと位置が一義的に決まるような運動(これを拘束された相対運動という)を行うようにした機構を一般にリンク装置またはリンク機構といい,その構成要素をリンクあるいは節と呼ぶ。…
※「梃子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新