森羅(読み)シンラ

デジタル大辞泉 「森羅」の意味・読み・例文・類語

しん‐ら【森羅】

[名](スル)樹木が茂り連なる意から》
無数に並び連なること。
外間に―せる所の品物及び天然不測の力と」〈逍遥小説神髄
天地の間に存在するもろもろのもの。

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精選版 日本国語大辞典 「森羅」の意味・読み・例文・類語

しん‐ら【森羅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「森」は木の多いこと、「羅」はつらなる意 )
  2. ( 形動タリ ) 樹木が茂り並ぶこと。樹木が繁茂しているさま。
    1. [初出の実例]「日月運転、山河錯峙、千名森羅、万物雑起」(出典:性霊集‐二(835頃)大和州益田池碑銘)
    2. [その他の文献]〔張九齢‐商洛山行懐古詩〕
  3. ( 形動タリ ) ( ━する ) あつまりつらなること。無数に並びつらなること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「亦三輩の往生九品の来迎聖容赫奕として、花䑓森羅(シンラ)たり」(出典:私聚百因縁集(1257)七)
    2. 「星辰天に森羅するの理」(出典:百一新論(1874)〈西周〉下)
    3. [その他の文献]〔張正見‐山賦〕
  4. 宇宙につらなり並ぶ、すべての物。万物森羅万象
    1. [初出の実例]「森羅の万法、十界の依正悉く阿字の空有不生の三徳にて候へば」(出典:道範消息(1243‐49頃))
    2. [その他の文献]〔陶弘景‐茅山長沙館碑〕

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普及版 字通 「森羅」の読み・字形・画数・意味

【森羅】しんら

多くのものが並ぶ。梁・陶弘景〔茅山長沙館碑〕夫(そ)れ象森羅、兩儀(陰陽)のするを離れず。百法湊(ふんそう)するも、三を越ゆる無し。

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