デジタル大辞泉
「殷鑑遠からず」の意味・読み・例文・類語
殷鑑遠からず
《「詩経」大雅・蕩から》殷が鑑とすべき手本は、遠い時代に求めなくても、同じく悪政で滅んだ前代の夏にある。戒めとすべき例はごく身近なところにあるものだというたとえ。
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いんかん【殷鑑】 遠(とお)からず
(「詩経‐大雅・蕩」の「
殷鑑不
レ遠、在
二夏后之世
一」による語) 殷の
国民の鑑
(かがみ)は
遠くに求めなくても、前代の夏
(か)の
滅亡がよい戒めである。戒めとすべき
失敗の
前例は手近なところにあるの意。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
殷鑑遠からず
戒めとすべき失敗例は、手近なところにあることのたとえ。
[使用例] 万一それから刃傷沙汰にでもなった日には、板倉家七千石は、そのまま「お取りつぶし」になってしまう。殷鑑は遠からず、堀田稲葉の喧嘩にあるではないか[芥川龍之介*忠義|1917]
[由来] 「[詩経]―大雅・蕩」の詩句から。紀元前九世紀の初め、周王朝が衰えた際、それを嘆いて作られたとされる詩で、「殷鑑遠からず、夏后の世に在り(殷王朝が鑑とすべきものは、遠くに求めなくてもよい。前代の夏王朝が滅亡したのがよい戒めだ)」とうたっています。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報