水は方円の器に従う(読み)みずはほうえんのうつわにしたがう

精選版 日本国語大辞典 「水は方円の器に従う」の意味・読み・例文・類語

みず【水】 は 方円(ほうえん)の器(うつわ・うつわもの)に従(したが)

(水は容器の形によってどんな形にでもなるところから) 人は、交友や環境しだいで善にも悪にも感化されるというたとえ。水は入物に従う。
日光山縁起(室町後)上「ただ盛見の不同は水の方円の器にしたがふがごとく、利生掲焉は月の巨細の流にうかぶがごとくなるべし」 〔白居易偶吟詩〕

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故事成語を知る辞典 「水は方円の器に従う」の解説

水は方円の器に従う

人間は、交友関係や環境次第で、善にも悪にも感化されることのたとえ。

[使用例] 私は橋の下でも、あるいは大極殿山門の中でも決して辞退はしないつもりである。水は方円の器に従うが如く、私はそれに応じての私の身を置くに適当な何かを以て飾り立て[小出楢重*めでたき風景|1930]

[由来] 八~九世紀の中国の詩人はくきょ雅号は楽天)の詩の一節から。晩年、自分の人生を振り返り、その時その場の状況や人間関係に流されて生きてきたことをたとえて、「じょう無き水は方円の器に任せ、つながれざる舟はきょじゅうの風にしたがう(意志を持たない水は、入れ物四角いか円いかによってその形を変え、岸につないでいない舟は、吹いたり止んだりする風のままに動いていく)」とうたっています。

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ことわざを知る辞典 「水は方円の器に従う」の解説

水は方円の器に従う

水は、容器の形が四角ければ四角になり、円ならば円になる。人は、交友関係や環境次第で善にも悪にも感化されるというたとえ。

[使用例] 水は方円の器に従うがごとく、私はそれに応じての私の身を置くに適当な何かをもって飾り立て、ぼろぎれを張り廻し、工夫を凝らして心もちよく住んでみせるだけの自信はあると思っている[小出楢重*めでたき風景|1930]

[解説] 「方円」は、四角と円の意。白居易の詩「偶吟」の詩句によることば。

〔異形〕水は入れ物に従う

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