浮沼(読み)うきぬ

精選版 日本国語大辞典 「浮沼」の意味・読み・例文・類語

うき‐ぬ【浮沼】

  1. 〘 名詞 〙 泥深い沼。蓴(ぬなわ)や菱などの水草が繁茂するような泥沼。多く「うきぬのいけ」として和歌に用いる。うきぬま。
    1. [初出の実例]「君がため浮沼(うきぬ)の池の菱(ひし)摘むとわが染めし袖ぬれにけるかも」(出典万葉集(8C後)七・一二四九)

浮沼の補助注記

「浮沼の池」を島根県大田市三瓶山付近の地名として歌枕とする説がある(大日本地名辞書)。


うき‐ぬま【浮沼】

  1. 〘 名詞 〙うきぬ(浮沼)
    1. [初出の実例]「出家ののち五月五日菖蒲のねにつけて人のもとへつかはしける、思ひきや袖もあやめも引かへてよをうき沼のねをかけんとは〈信生〉」(出典:新和歌(1258‐59頃)夏)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android