琴後集(読み)コトジリシュウ

デジタル大辞泉 「琴後集」の意味・読み・例文・類語

ことじりしゅう〔ことじりシフ〕【琴後集】

江戸後期の歌文集。15巻7冊。村田春海むらたはるみ著。文化7年(1810)ころ刊。9巻まで歌集、残り6巻が文集。きんごしゅう。

きんごしゅう〔キンゴシフ〕【琴後集】

ことじりしゅう(琴後集)

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精選版 日本国語大辞典 「琴後集」の意味・読み・例文・類語

ことじりしゅう ことじりシフ【琴後集】

江戸末期の歌文集。一五巻七冊。村田春海作。文化一〇年(一八一三)刊。はじめの九巻四冊に四季、恋、雑などに分類した歌を、以下の六巻三冊に記、序、跋などの文を収めている。加藤千蔭の「うけらが花」とともに、賀茂真淵門下江戸派の優美な歌文の結実を示すものである。きんごしゅう。

きんごしゅう キンゴシフ【琴後集】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「琴後集」の意味・わかりやすい解説

琴後集
ことじりしゅう

江戸後期の歌文集。村田春海(はるみ)著。全15巻。9巻までが歌集で、あとの6巻が文集。1813年(文化10)刊。『琴後集別集』は未刊のまま写本が伝わっている。歌風古今調をもとにしたもので、「とまり舟とまの雫(しづく)の音たえて夜はの時雨(しぐれ)ぞ雪になりゆく」などの作がある。典雅ではあるが、理知的な技巧を弄(ろう)した歌が多いと評される。青年時に漢詩文を学んだ教養を生かしたような作が目だつほか、長歌も多く収める。また名文家と称されただけに、文章も数多く収録されており、江戸派の歌論を知ることができる。

[揖斐 高]

『『校註国歌大系16 近代諸家集2』(1929・国民図書)』

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