生中(読み)ナマナカ

デジタル大辞泉 「生中」の意味・読み・例文・類語

なま‐なか【生中/生半】

[形動][文][ナリ]中途半端なさま。どっちつかず。なまはんか。「―な心得では太刀打ちできない」
[副]そうすることがかえって良い結果とならず、まずいという気持ちを表す。なまじっか。
「けれど―お顔を見るなんざ唯思いを増すばかりでね」〈木下尚江良人の自白
[類語]なまじなまじっかなまじい生煮え生ぬるい手ぬるいおざなりなおざり微温的生半可いい加減適当ぞんざい投げ遣りちゃらんぽらん行きあたりばったり不十分不完全不徹底不行き届き半端中途半端宙ぶらりん適当

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生中」の意味・読み・例文・類語

なま‐なか【生中・生半】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 中途はんぱであるさまを表わす。多く、中途はんぱでかえって具合が悪いという気持をこめていう。なまじっか。かえって。むしろ。
    1. [初出の実例]「なま中云懸り、首尾あしく退んより」(出典:仮名草子・悔草(1647)上)
    2. 「彼(あれ)も生中(ナマナカ)学問なんかさすよりも百姓が宜かったかも知れん」(出典黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 物事が不完全、不十分で、甲乙どちらにも属しきらないさま。中途はんぱ。どっちつかず。なまはんか。
    1. [初出の実例]「なまなかに足ぶみしほえてくらいころされたぞ。人もかうぞ」(出典:玉塵抄(1563)一四)
    2. 「なまなかの芸者よりもずっとしっかりしてゐる」(出典:腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉一二)
  3. [ 3 ] 〘 名詞 〙 あいだ。中間。
    1. [初出の実例]「土間桟敷のなま中をたとへせかれておしおふとても」(出典:続歌舞妓年代記(1907)三)

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