生臭い(読み)ナマグサイ

デジタル大辞泉 「生臭い」の意味・読み・例文・類語

なま‐ぐさ・い【生臭い/×腥い】

[形][文]なまぐさ・し[ク]
生の魚や肉のにおいがする。「魚を料理して手が―・くなる」
気持ちの悪いにおいがする。また、血のにおいがする。「―・い風が吹く」
僧が戒律を守らず堕落している。俗臭が鼻につくさま。「―・い坊主
欲望利害などがからんでいるさま。「政界財界との―・い癒着
生意気である。こしゃくである。
「―・い男呼ばり、置け置け、置いてくれ」〈浄・寿の門松
[派生]なまぐささ[名]
[類語](2血なまぐさい臭い青臭い汗臭いかび臭い抹香臭い・薬臭い・きな臭い焦げ臭い鼻を突くにお

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精選版 日本国語大辞典 「生臭い」の意味・読み・例文・類語

なま‐ぐさ・い【生臭・腥】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]なまぐさ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 生の魚や肉類のにおいがある。また、血のにおいがある。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「花の比談義参もうらやまし〈越人〉 田にしをくふて腥きくち〈芭蕉〉」(出典:俳諧・曠野(1689)員外)
  3. いやなにおいがある。気持の悪いにおいがある。
    1. [初出の実例]「唯だ虵(へび)の腥(ナマクサキ)ことを聞(か)ぐ」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
    2. 「腥(ナマグサ)き風のさと吹きおくりきたるに」(出典:読本・雨月物語(1776)蛇性の婬)
  4. 僧としての戒行を守らず堕落している。また、世俗的になっている。
    1. [初出の実例]「法然とやらが生臭い珠数はいやじゃ」(出典:虎寛本狂言・宗論(室町末‐近世初))
  5. なまいきである。しゃらくさい。
    1. [初出の実例]「尾鰭を附けてなまぐさい云分めさるれど、くだらぬくだらぬ」(出典:浄瑠璃・孕常盤(1710頃)二)
  6. うさんくさい。あやしげである。
    1. [初出の実例]「葉屋の彦介といふ男見て置け。なまぐさい男呼ばり、置け置け、置いてくれ」(出典:浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松(1718)上)
  7. 現実的な欲望や利害などがからんでいる。
    1. [初出の実例]「老いても生臭い女の怨念が」(出典:司令の休暇(1970)〈阿部昭〉四)

生臭いの派生語

なまぐさ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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