和菓子の場合は落雁(らくがん)などの干菓子に対する語で、水分を多く含むため長もちしない菓子をいい、餅(もち)菓子やまんじゅうなどのように、主として餡(あん)類を用いた菓子をいう。和生菓子に対して洋生菓子は、スポンジケーキ、シュークリーム、バターケーキ、パイなど、クリームや果物を使った菓子をさす。
和生菓子をさらに分類すると、蒸し物、練り物、棹(さお)物、焼き物、餅類などに分けることができるが、これらは一つの菓子で蒸し物や練り物であって棹物であるもの、焼き物であるが餅類であるものなど、いくつかの性格を有する場合が多い。また菓子の品質によって上生菓子、並生菓子、雑生菓子と区別したり、焼き物である場合に半生菓子ということもある。およその分類は次のようになる。(1)蒸し物 まんじゅう(上、並)、蒸し羊かん(棹)、軽羹(かるかん)、蒸し時雨(しぐれ)など。(2)練り物 練り羊かん(棹、上、並)、練り切り、水羊かん(棹)、きんとん、金玉(きんぎょく)かんなど。(3)棹物 羊かん、ういろう(餅)。(4)焼き物 最中(もなか)、金鍔(きんつば)、カステラ、どら焼きなど。(5)餅類 鳥の子餅、椿(つばき)餅、桜餅、柏(かしわ)餅、菱(ひし)餅、求肥(ぎゅうひ)、葛(くず)餅、わらび餅、柚餅子(ゆべし)、大福、餡餅、安倍川(あべかわ)餅、ちまきなど。
このほか、掛け物をした石衣(いしごろも)や焼き物の栗(くり)まんじゅうなどは半生菓子であり、今川焼などは雑生菓子の部類に入る。
[沢 史生]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…調布は唐まんじゅう様の皮でぎゅうひを巻き,表面に焼印を押す。(5)生菓子(なまがし) 水分が多く変質しやすい生物(なまもの)の菓子の意で,干菓子に対する語。種類はさまざまで,前記の餅菓子以下の大半はこれに属するが,それ以外に練切(ねりきり)物,ぎゅうひ物,鹿の子(かのこ),時雨(しぐれ)などがある。…
※「生菓子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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