由緒(読み)ユイショ

デジタル大辞泉 「由緒」の意味・読み・例文・類語

ゆい‐しょ【由緒】

物事の起こり。また、今に至るまでのいきさつ。いわれ。「行事由緒をたずねる」
現在に至るまでのりっぱな歴史来歴。「由緒のある古寺」「由緒正しい美術品」
[類語]いわれ由来来歴故事縁起歴史沿革変遷道程歴程足跡そくせき歩み年輪因縁来由成り立ちルーツ始まる因る

ゆう‐しょ〔イウ‐〕【由緒】

ゆいしょ(由緒)」に同じ。
「義家朝臣が―を、忽に捨て給はずは」〈盛衰記一八

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精選版 日本国語大辞典 「由緒」の意味・読み・例文・類語

ゆい‐しょ【由緒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事の由来した端緒。物事のそもそもの起こり。また、物事の今に至るゆえん。伝えて来た事柄。来歴。いわれ。
    1. [初出の実例]「故令人図形像於此紙、手自書由緒於其下」(出典:権記‐長保元年(999)八月二六日)
    2. 「か様に様々に由緒(ユイショ)ある家風なり」(出典:御伽草子・猿の草子(室町末))
    3. [その他の文献]〔洛陽伽藍記‐巻二・崇義里〕
  3. 物事を行なうとき、その正当性の裏づけとなる事柄。行動の根拠。特に中世、所領諸職を知行するいわれ。
    1. [初出の実例]「伊勢勅使不用葦毛事所承伝候也、頗由緒候歟云々」(出典:治承元年公卿勅使記(1177)九月八日)
  4. 縁故。縁。ゆかり。
    1. [初出の実例]「浄花院長老〈略〉香衣着用事、為門徒之懇款、予依当時之由緒執申入之処」(出典:建内記‐正長二年(1429)六月九日)

由緒の補助注記

「ゆうしょ」が変化した形と考えられるが、読みの明らかでない例は便宜上この項に収めた。→由緒(ゆうしょ)


ゆう‐しょイウ‥【由緒】

  1. 〘 名詞 〙ゆいしょ(由緒)
    1. [初出の実例]「由緒 古今部 イウショ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. 「義家(きか)朝臣が由緒(ユウショ)を、忽に捨給はずは」(出典:源平盛衰記(14C前)一八)

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普及版 字通 「由緒」の読み・字形・画数・意味

【由緒】ゆいしよ

いわれ。由来。〔洛陽伽藍記、二、建陽里〕時に隱士趙り、云ふ、是れ晉武の時の人なりと。~正光の初、來(きた)りて京師に至り、(杜)子休の宅を見、息して曰く、此の宅は中時の太康寺なりと。時人未だ信ぜず、に寺の由を問ふ。~子休掘りて之れを驗し、~數十を得たり。

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