普及版 字通 「省(漢字)」の読み・字形・画数・意味
省
常用漢字 9画
[字訓] みる・かえりみる・さとる・はぶく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
卜文・金文の字形は生に従い、生(せい)声。〔説文〕四上に(てつ)に従う形とし、「るなり。眉の省に從ひ、に從ふ」という。〔段注〕に「眉に從ふは、未だ目に形(あら)はれざるなり。に從ふは、之れをに察するなり」とするが、はおそらくもと目の上の呪飾、のち生の声が意識されての下部に肥点を加える形となったものであろう。卜辞に王の巡省を卜して、「王省するに、來災ひ(な)きか」という。金文に「省(いつせい)」の語があり、は矛(ほこ)を台上に樹(た)てて示威巡察を行う意。古くは眉飾などを施し、あるいは黥目(げいもく)を加えたものであろう。わが国の「など黥(さ)ける利目(とめ)」もその類であろう。巡察することより省察の意となり、省察して除くべきものを去るので省略の意となる。
[訓義]
1. みる、めぐりみる、つまびらかにみる。
2. かえりみる、あきらかにする、さとる。
3. あやまちをみる、あやまちをさる。
4. はぶく、さる、へらす、すくなくする。
5. 役所、公の居る所、禁中、行政の区画名。
6. と通じ、わざわい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕省 カヘリミル・ハブク・ヨクス・ハググム・ミヨ・タスク・オボユ 〔字鏡集〕省 ハリ・ヨクス・カヘリミル・タスク・ヨシ・アキラカナリ・ミヨ・ミル・ハググム・ハブク・オボユ
[声系]
〔説文〕に省声として・など四字を収める。十一上は「少しく減ずるなり」、十二下は「減ずるなり」とあって、みな省減の意をとる。
[語系]
省視のときは省sieng、相siangは声義近く、相は〔説文〕四上に「省するなり」とあり、視て察することをいう。省略のときは省・・shengは同声。省視のときと、声を異にして用いた。
[熟語]
省▶・省員▶・省魁▶・省官▶・省元▶・省試▶・省寺▶・省闥▶・省中▶・省庭▶・省門▶・省略▶・省愛▶・省易▶・省役▶・省改▶・省▶・省刑▶・省決▶・省見▶・省減▶・省悟▶・省行▶・省候▶・省耕▶・省曠▶・省察▶・省視▶・省事▶・省釈▶・省恤▶・省心▶・省審▶・省親▶・省素▶・省▶・省息▶・省読▶・省筆▶・省風▶・省文▶・省墓▶・省方▶・省問▶・省約▶・省覧▶
[下接語]
按省・簡省・観省・帰省・倹省・減省・顧省・三省・自省・修省・晨省・深省・尋省・節省・大省・退省・定省・内省・反省・猛省・黙省・問省・約省・覧省・略省
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報