真如寺(読み)しんによじ

日本歴史地名大系 「真如寺」の解説

真如寺
しんによじ

[現在地名]北区等持院北町

臨済宗相国寺派。万年山と号し、本尊釈迦如来。弘安九年(一二八六)無着如大尼が師の無学祖元(仏光国師)の爪髪を奉じて塔所とし、正脈庵と号したのに始まるという。「夢窓国師年譜」は暦応四年(一三四一)四月一五日の個所で、高師直が夢窓を請じて正脈庵をもとに堂塔を整え真如寺と号したが、夢窓は祖元を開山として自らは二世となったとする。高師直が足利直義の命で当寺を開いたという説もある(禅林僧伝)

真如寺
しんによじ

[現在地名]能勢町地黄

地黄じおう北東山麓にある。無漏山と号し、日蓮宗。本尊十界大曼陀羅。もと真光しんこう庵またはふく庵と称し、真言宗であったが、元和三年(一六一七)当地の領主能勢頼次が日蓮宗に改宗し、真如寺と改めたと伝える。頼次は甲州身延山久遠寺二一世の日乾を招請し、開山とした。日乾は一九年間の在住中に信者の便をはかり、日蓮の分骨を当寺に奉安したところから、関西身延と称されるようになった。また日乾が能勢妙見みようけん山に妙見大菩薩を奉祠して以来、真如寺と野勢妙見堂との関係が生じ、現在も妙見堂は当寺の管理となっている。寺宝に元応元年(一三一九)五月一〇日銘の梵鐘(府指定文化財)がある。

真如寺
しんによじ

[現在地名]高知市天神町

真如寺山北麓にある。曹洞宗。日輪山と号し、本尊は釈迦如来。古くは真乗しんじよう寺と称し、駿河国長源ちようげん院の末寺であった。山内一豊が遠江国掛川かけがわの領主であった頃、在川の住む真如寺へ参禅、のち土佐入封に伴い、慶長六年(一六〇一)在川を開山として当地に伽藍を建立、真乗寺と名付けたのに始まる。当地には潮江天満宮があり、天満宮を西方に移して跡地に建造したと伝える。真乗寺はその後山内氏の菩提寺として栄え、二代忠義の時、真如寺と改称した。「南路志」によると境内には惣門・座禅堂・鐘楼堂・本堂・客殿・庫裏・御霊殿・浴室などが立並び、回廊がめぐらされ、塔頭に香積こうしやく院・興陽こうよう軒・般舟はんじゆ院があった。

真如寺
しんによじ

[現在地名]直方市植木

植木うえきの中心街の南部、犬鳴いぬなき川との合流点付近の遠賀おんが川中流左岸に位置する。浄土宗寺院で、高雄山安養院と号する。「蓮門精舎旧詞」によると、天正三年(一五七五)起立といい、開山の清誉(同一五年没)宮田みやた(現宮田町)極楽寺住持であったが、当地の観音堂が荒廃していたことから、これを再興して当寺を開いたという。「続風土記附録」は小早川隆景夫人に仕えていた白拍子の高雄がのちに尼となって真如と称し、真如没後にその冥福を祈って隆景が建立した寺院が当寺であるとし、隆景は寺領を寄進したという。

真如寺
しんによじ

[現在地名]蒲郡市形原町 石橋

海性山法性院と号し、浄土宗西山深草派。「形原村誌」によれば、源信の開基にかかり、初め長徳三年(九九七)佐久島さくしま(現幡豆郡一色町)に建てられた天台宗の寺であったが、後に山口やまぐち(現幡豆郡幡豆町)に移転し、さらに応仁元年(一四六七)に当地に移し、浄土宗に改めたという。寺伝によれば、天台座主慈覚大師の直弟子東光坊円証が薬師如来を背負って当国へ来り、西郡門田にしのこおりかどた(現水竹町)に一宇を造営したのが始まりで、その後承久三年(一二二一)、一説には応仁元年天台宗から浄土宗に改め、元亀三年(一五七二)門田よりさらに現在地に移ったとしてある。

真如寺
しんによじ

[現在地名]木更津市真里谷

武田たけだ川の南、戦国期の真里谷まりやつ城跡の北西にある。天寧山と号し、曹洞宗、本尊は釈迦如来。上総高野山ともいわれ、密山派に属し末寺は四九寺を数えた(寛永一〇年龍穏寺本末帳)。寺伝によると、寛正五年(一四六四)真里谷城主武田信興が開創し、密山正厳(太田道灌の次子道忠の子)が開山という。天正一八年(一五九〇)七月徳川氏から門前禁制(君津郡誌)を与えられ、同一九年徳川家康から朱印地三〇石を寄進された(寛文五年御朱印帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「真如寺」の解説

真如寺

大阪府豊能郡能勢町にある日蓮宗の寺院。山号は無漏山、本尊は十界大曼陀羅。もとは真言宗の寺で、元和年間に当地の領主、能勢頼次が改宗し寺号を改めたと伝わる。妙見山山頂に北辰妙見大菩薩を祀る飛地を有する。

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事典・日本の観光資源 「真如寺」の解説

真如寺

(京都府京都市北区)
京都十刹」指定の観光名所。

真如寺

(京都府京都市北区)
十刹」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の真如寺の言及

【能勢妙見】より

…大阪府豊能(とよの)郡能勢町にある日蓮宗の寺。正称は無漏山真如寺。妙見山の山上にある。…

【妙見】より

…仏教信仰に属する妙見信仰が,妙見宮に鎮守神としてまつられるようになったのは,このころからであろう。その後,日蓮宗の寺院に多くまつられ,近世初頭に勧請された大阪府豊能郡能勢町にある真如寺の妙見堂は,〈能勢妙見〉として広く名を知られている。現在の日蓮宗では,《法華経》を擁護する善神の一つとして,確かな地位を得ている。…

【妙見山】より

…大阪府豊能郡能勢町,豊能町と兵庫県川西市の境界に位置する。信仰の山で,山頂には能勢妙見として知られる無漏山真如寺がある。鎌倉時代の地頭領主の系譜を有する旗本能勢氏の援助と保護によって江戸時代初期に伽藍が整備された。…

※「真如寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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