液体を加熱して沸騰させようとするとき,突発的に起こる急激な蒸気泡の発生をいう.清浄な器壁の容器に清浄な液体を入れた場合に起こりやすい.一般に沸騰が起こるためには,気泡発生の核となるものが必要である.これが存在しないときには単に液体を沸点まで加熱しただけでは液体の内部からの気泡の発生(沸騰)は起こらない.したがって,器壁の加熱部分の付近の液体はいちじるしい過熱状態となる.いったん核が生成すると,過熱液体の高い蒸気圧のため気泡は成長し,一方,表面張力にもとづく気泡内外の圧力差は,気泡の直径に比例して小さくなるから,いったん生成した気泡は急激に膨張して上昇し,突沸現象を起こす.理論的には,水の場合1 ℃ の過熱で液体内部から気泡が成長できるためには,あらかじめ直径 10-3 cm 以上の小気泡の存在を必要とする.突沸を防ぐには,液中に挿入した毛管から空気泡を連続的に送り込むか,白金板でつくった四面体を液中に置くなどの方法がとられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この現象は沸騰の遅れと呼ばれ,このような状態を過熱状態という。過熱状態の液体は突然爆発的に沸騰することがあり,この現象を突沸という。沸騰の型としては,おもなものは器壁の高温面で液体が直接蒸気になって気泡ができる核沸騰と,高温面で蒸気が連続な薄膜を形成する膜沸騰の二つがある。…
※「突沸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加