糸田(読み)いとだ

改訂新版 世界大百科事典 「糸田」の意味・わかりやすい解説

糸田[町] (いとだ)

福岡県中東部田川郡の町。人口9617(2010)。東部と南部は田川市に接する。西部は低山地が南北に走り,その東側では中央の小丘陵地を挟んで西を泌川,東を中元寺川が北流し,川沿いに沖積低地が形成されている。明治中期に炭鉱が開発され,それまでの純農村が一転して筑豊炭田有数の炭鉱町に発展した。それに伴い人口も急増して1929年に町制を施行した。しかし石炭不況のため,60年ごろから炭鉱が次々と閉山され,離職者の多発,人口の急減など深刻な打撃を受けた。その後,産炭地振興により農業の振興がはかられ,米作のほか水田裏作の野菜栽培,果樹が主体となっている。近隣工業団地への通勤者が多い。3月に行われる金村神社御田植祭は,英彦(ひこ)山の田植祭とともに有名。平成筑豊鉄道が通じる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報