ある会計期間中に企業活動で得られた収益を示す指標の一つ。本業のもうけに当たる営業利益から、借入金の支払利息などの営業外費用を差し引き、受取配当金などの営業外収益を加えた決算の数字。財務を含めた企業の総合的な実力を表すとされる。これに一時的な損益である特別損益を加味し、法人税などを差し引くと、純利益になる。
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企業活動において,毎期間反復して継続的に発生する利益をいう。マイナスの場合は経常損失という。経常利益(損失)は,企業が目的とする本来の営業活動に伴い発生する営業損益と,その活動に付随して反復的に生ずる営業外損益により構成され,計算上は,売上高から売上原価と企業目的達成に不可欠な販売費,人件費などの営業費(販売費および一般管理費)を控除して算出された営業利益に,おもに財務上の損益である営業外損益を加減して算出される。経常利益は,取引や項目の発生の頻度および金額の多寡による概念で,正常な状態で企業活動が行われた場合に継続的に発生すると期待される利益をさす。それは,正常状態における企業の業績(収益力)を示し,過去,現在および将来における企業の活動状況を判断するうえで,きわめて重要な指標である。当期の業績を重視する当期業績主義の考え方によると,この利益が当期純利益(期間利益)とみなされる。企業活動においては,上記の正常性をもった損益のほか,たとえば突発的な災害損失,巨額の固定資産(土地など)の売却損益,過年度の償却済債権の回収益などの臨時損益や前期損益修正項目が発生する。この臨時損益は,正常性がなくても,その期の処分しうる利益を計算するためには,考慮する必要がある。また現行商法下では,処分できる利益を計算する際に,引当金の目的外取崩額などを考慮しなければならない。これらの臨時損益,前期損益修正項目,引当金の目的外取崩額は特別損益と呼ばれ,その額を経常利益に加減したものが,当期の処分できる利益となる。このように,性質のいかんを問わず,当期に発生したすべての損益を重視する考え方が当期業績主義に対し包括主義と呼ばれる。包括主義のもとでも,損益計算は区分式で行いうるから,経常利益も示される。日本では,企業会計原則は,当初当期業績主義を採用していたが,1974年の修正で商法との調整をはかり,包括主義を採用し,今日に至っている。
執筆者:前田 貞芳
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(小山明宏 学習院大学教授 / 2007年)
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…営業利益の計算は,一般には,純売上高(総売上高から売上値引・売上戻り高などを控除したもの)から売上原価を差し引いて売上総利益(=粗利益)を算出し,その売上総利益から一般管理費・販売費を差し引いて営業利益を算出する形でなされる。営業利益に,おもに財務上の収益・費用からなる営業外損益を加減したものが経常利益で,それに特別損益(臨時損益,前期損益修正項目,商法による引当金の目的外取崩額など)を加減して当期純利益(期間利益)が算定される。【前田 貞芳】。…
…これに対して後者は,当該期間の処分可能利益を表示しようとするため非経常的・異常な損益および過年度の損益の修正も損益計算書に含む。現行の日本の制度では,いずれも後者の立場を採るが,当期業績をその途中で経常利益として表示することとして前者の立場への配慮をしている。また,損益計算書はその内容を区分して表示するか否かで無区分損益計算書と区分損益計算書に分けられる。…
※「経常利益」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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