絶入(読み)ゼツニュウ

デジタル大辞泉 「絶入」の意味・読み・例文・類語

ぜつ‐にゅう〔‐ニフ〕【絶入】

ぜつじゅ(絶入)」に同じ。
みずからも終に及ばずして此処に―せんと思えば」〈紅葉金色夜叉

ぜつ‐じゅ【絶入】

《「せつじゅ」とも》息が絶えること。また、気絶すること。ぜつにゅう。
「かれがいかって向かふ時は大の男も―す」〈平家・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絶入」の意味・読み・例文・類語

たえ‐い・る【絶入】

〘自ラ四〙
① 息が絶えて死ぬ。
※竹取(9C末‐10C初)「書きはつる、たえ入給ぬ。是を聞てかくや姫少あはれとおぼしけり」
今昔(1120頃か)四「僧沢、心に随て形の色鮮にして起居て仏を念じ奉り、法性(ほっしゃう)を観じて絶入ぬ。即ち覩率天(とそつてん)内院に生れぬ」
生気を失って、気絶する。また、ひどく困惑したり、茫然としたりする状態をいう。
源氏(1001‐14頃)若菜下「この暁よりたえいり給へりつるを〈略〉やうやう生きいで給ふやうに聞きなし侍て」
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)中「今は親よ舅よと頼る名残も切れたるかと、又たへ入て泣けるが」

ぜつ‐にゅう ‥ニフ【絶入】

読本阿波鳴門(1807)五「絶入(ゼツニフ)なしたる弓子を誘いて、おのれが隠家〈略〉にかへり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android