デジタル大辞泉
「羨」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うら‐やまし・い【羨】
〘形口〙 うらやま
し 〘形シク〙 (動詞「うらやむ(羨)」の
形容詞化)
①
他人のようす、
状態などが
自分より恵まれているように見えて、憎らしく思われる。ねたましい。
※
霊異記(810‐824)上「時に兄、
妬忌(ウラヤマシ)〈国会図書館本訓釈 妬忌 二合于良ヤマシ〉」
② 他人や他の
事物のようす、状態などが自分よりすぐれているように見えて、そうありたいと願われる。
※後撰(951‐953頃)
羇旅・一三五二「いとどしく過ぎゆく方の恋しきにうら山しくも帰る波かな〈
在原業平〉」
うらやまし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
うらやまし‐げ
〘形動〙
うらやまし‐さ
〘名〙
うら‐や・む【羨】
〘他マ五(四)〙 (「心(うら)病(や)む」の意)
① 他人が自分より恵まれているのを見て、憎く思う。ねたむ。そねむ。
※
書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓)「
嫉妬(ウラヤミねたむこと)有ること無かれ」
※天草本伊曾保(1593)
大海と、
野人の事「ワガ ワザ バカリ クルシュウデ、ヒトワ シンラウノ ナイカト vrayami
(ウラヤミ)」
② 人がすぐれているのを見て、自分もそうなりたいと願う。
※
古今(905‐914)
仮名序「花をめで、とりをうらやみ、かすみをあはれび、
つゆをかなしぶ心」
うら‐やみ【羨】
① 他の恵まれたさまを見て、ねたましく思ったり、
不平や不満が生じること。ねたみ。そねみ。
※枕(10C終)九二「うらやみありていかでかなど、かたくいふに」
② 他のすぐれたさまを見て、そうありたいと願うこと。羨望(せんぼう)。
※
源氏(1001‐14頃)
手習「山ごもりの御うらやみは、なかなか今様だちたる御ものまねびになむ」
せん【羨】
〘名〙 うらやむこと。
※
史記抄(1477)二〇「したい事をもせいで心を不乱じとするは羨を去るぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報