色麻郡(読み)しかまぐん

日本歴史地名大系 「色麻郡」の解説

色麻郡
しかまぐん

和名抄」諸本には訓を欠く。「延喜式」神名帳に「シカマ」、「拾芥抄」には「シカマ」「シキマ」と訓を付す。現在の加美かみ郡色麻町と中新田なかにいだ町の一部を含む地域とみられる。南は黒川郡、北西方は加美郡で、北東方は長岡ながおか郡と接していたと思われる。「続日本紀」天平九年(七三七)四月一四日条によれば、陸奥国按察使の大野東人が、多賀城から出羽国に通ずる道を開こうとしたときに、色麻柵より発したという。色麻柵はこれ以前の創置となり、現中新田町の城生じよう遺跡は同柵かあるいは色麻郡衙跡とみられるが、確証はない。また色麻町の一の関いちのせき遺跡は寺院跡あるいは官衙跡とされ、色麻柵・色麻郡衙との関連が考えられる。当郡はこの色麻柵を核として創置されたと推定されるので、天平九年以後まもなくのことといえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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