英米型のカレッジ(読み)えいべいがたのカレッジ

大学事典 「英米型のカレッジ」の解説

英米型のカレッジ
えいべいがたのカレッジ

イギリスのオックスフォード大学ケンブリッジ大学学寮の集合体として発展し,学位を授与する大学に対して,個々に財産を所有し,教員と学生の共同生活と教育訓練の場を供するカレッジ(college)意義を定着させた。今日でも,イギリスにおいてカレッジは,まずはマートンやトリニティ等の学寮を指す。北アメリカが17世紀以来移植したカレッジは個別に学位を授与し,大学との区別を不明瞭としつつも,学寮での共同生活を重視し,基礎学術分野での学士課程教育に専念するリベラルアーツ・カレッジとして,あるいは大学内部の中核的な組織としてオックスブリッジ(イギリス)の伝統を汲む。にもかかわらずアメリカ合衆国では,カレッジは大学と類義語化し,総合大学の中にもカレッジを自称するものがある。加えて,工学農学を中心にした専門学部の呼称でもある。かくして英米のカレッジは,オックスブリッジが代表する学寮,その伝統を継ぐ合衆国での学士養成機関をおもに指すが,専門学部,さらには大学一般の呼称でもあり,多義的である。上記のどれを意味するのか,まず見極めることが肝要である。
著者: 立川明

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android