出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
平安朝の宮廷貴族社会で行われた通過儀礼の一つで,女子が成人して初めて衣裳を着ける儀式をいう。裳著とも書き,和文の文学作品での呼び方で,漢文体の公卿日記・儀典書などでは〈着(著)裳(ちやくも)〉という。年齢はだいたい12~14歳ぐらいで行われ,配偶者の決まったとき,または見込みのあるときに行うことが多く,これによって結婚の資格を獲得したことを意味する。裳の腰を結ぶ腰結(こしゆい)の役,髪を結い上げる結髻(けつけい)・理髪の役があり,腰結は元服の加冠と同じく最も重要視され,尊属,または徳望のある高貴な人を選んであらかじめ依頼しておく。皇女の場合は天皇みずから結ぶこともあった。儀式は夜間に行われた。古くは男子の元服の〈冠〉に相当するものとして,許嫁するとき垂髪を束ねて結髪にする〈髪上(かみあげ)〉〈初笄(はつこうがい)〉の儀が行われたが,平安中期以降,髪型が垂髪に移行し服装も変化するにつれ,成年式としての裳着の儀の中に吸収され,髪上という呼び名も廃れた。垂髪では〈鬢(びん)そぎ〉が既婚の表示となったとみられる。この儀にも元服と同じく叙位の事が行われた。
執筆者:中村 義雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
公家(くげ)女子が成人したしるしに初めて裳をつける儀式。年齢は一定していないが、12、3歳のころ吉日を選んで行われ、徳望ある人に裳の腰(紐(ひも))を結んでもらった。『栄花物語』(輝く藤壺(ふじつぼ))には、彰子(しょうし)の裳着は、12歳のときに行われたとある。平安時代に、大人も垂髪になったが、従来の成人すると結髪をする習いから、形式的に、髪上げの儀式をも同時に行った。『源氏物語』(行幸(みゆき))に「御裳着のことをこそと思(おぼ)して、その御まうけの御調度のこまかなる清らども加へされ給ひ」とみえる。
[高田倭男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新