軽薄(読み)ケイハク

デジタル大辞泉 「軽薄」の意味・読み・例文・類語

けい‐はく【軽薄】

[名・形動]
言葉態度が軽々しくて、思慮の深さや誠実さが感じられないこと。また、そのさま。「流行にとびつく軽薄な男」「軽薄口調
人の機嫌をとること。また、その言葉。おせじ。ついしょう。
「なにも、姉御の前だからとて―を云うではありませぬが」〈露伴五重塔
物が軽くて、うすいこと。また、そのさま。
金石は重厚なり、羽毛は―なるが故に」〈暦象新書・中〉
[派生]けいはくさ[名]
[類語]浅浅浅浅しい浅はか浮薄単純軽佻軽率軽はずみ軽軽しい軽軽軽挙軽挙妄動馬鹿愚か愚かしい馬鹿らしい馬鹿馬鹿しい阿呆らしい下らない愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅薄せんぱく浮つくちゃらちゃら軟派軟弱安っぽいちゃらい

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精選版 日本国語大辞典 「軽薄」の意味・読み・例文・類語

けい‐はく【軽薄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 物が軽くて、うすいこと。価値が少ないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「かへるときくださるるものをばあつく、けいはくになきやうにあるものぞ」(出典:寸鉄録(1606))
    2. [その他の文献]〔史記‐平準書〕
  3. 考えがあさはかで、言動に慎重さを欠くこと。また、そのさま。その人。浮薄。軽浮。軽蹤。
    1. [初出の実例]「将此軽薄語、欲吐口自含。忍対座中客」(出典:東海一漚集(1375頃)一・答不聞)
    2. 「交りは軽薄(ケイハク)の人と結ぶことなかれ」(出典:読本・雨月物語(1776)菊花の約)
  4. ( ━する ) 相手の機嫌をとるような言動をすること。また、その人。ついしょう。おせじ。おべっか
    1. [初出の実例]「かやうの事申せば、けいはくのやうに思召れうずるが」(出典:虎明本狂言・抜殻(室町末‐近世初))
    2. 「『執権職とは、この上なき立身出世も御器量ゆゑ』『大慶至極の儀でござる』と軽薄する」(出典:歌舞伎・梅柳若葉加賀染(1819)大詰)

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普及版 字通 「軽薄」の読み・字形・画数・意味

【軽薄】けいはく

軽はずみ。〔漢書、厳助伝〕且つ越人愚(ぐたう)輕にして、(そむ)き反す。其の天子法度を用ひざること、一日の積に非ざるなり。

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