デジタル大辞泉
「退屈」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
たい‐くつ【退屈】
〘名〙 (形動)
① くたびれて
気力がおとろえること。いやになること。また、そのさま。
※
毎月抄(1219)「か様に申せば、又御退屈や候はんずらめなれども」
※太平記(14C後)三四「息をも継がせず戦は令め極めて短気なる坂東勢共などか退屈(タイクツ)せで候べき」
② 何もする事がなくて、暇をもてあますこと。
無聊(ぶりょう)で困ること。また、そのさま。つれづれ。
※玉塵抄(1563)三二「
客人を物をひろうしにきた者を久う待すれば人がたいくつするぞ」
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)初「人情本の大古板を詮方なしに繰返し、怠屈してぞ居たりける」
③ なすべき事をしないこと。年貢納入、契約履行などの義務を怠ること。
緩怠。
※
高野山文書‐元中元年(1384)
一二月七日・官省符庄年貢契状「及
二諸衆一同契約
一之上者、縦雖
レ送
二年月
一、無
二退崛之義
一、可
レ遂
二其節
一」
※どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)九「此けだいといふはでうすの御ほうこうのためにみだりなるかなしひ、たいくつの事なり」
④ 畏縮すること。おそれしりぞくこと。不安になること。
※
満済准后日記‐永享五年(1433)閏七月五日「諸大名此間連夜河原警固、其外東山方々事馬借用心頗退屈仕之由種々
周章」
※
浄瑠璃・
宇治の姫切(1658)五「らくちうをさはがせば、かたきたいくつの心つき、御門ゑんとうへうつさんは、ひつぢゃうなり」
⑤ 困りはてること。閉口すること。また、そのさま。
※中華若木詩抄(1520頃)上「色々胡人がきぶくあたりて退屈させて降参させんとすれどもならぬ也」
※
町人嚢(1692)三「
平家の奢
(おごり)に万民退屈
(タイクツ)迷惑せし折から」
⑥ 仏語。修行の苦しさ、むずかしさに、さとりを求める本志をおろそかにして、精進努力の心を失うこと。
※
往生要集(984‐985)大文五「得
二菩提大利
一不
レ応
レ生
二退屈
一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「退屈」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報