原子、分子、イオンなどが電子を受け取って酸化数が減少すること。歴史的には、酸化物から酸素を奪って単体を得ることを意味しており、酸化と逆の反応を行うことであった。ある物質から酸素を奪う、あるいはある物質を水素化物にすることが還元であるとされた時代もあったが、原子の電子構造と化学的性質との関係が明らかになるにしたがって、電子を受け取ることを還元、電子を与えることを酸化とする定義が定着した。
還元は酸化と相補的であり、ある物質Aが別の物質Bによって還元されるときには、その物質Bはかならず酸化される。酸・塩基の関係とも似ているが、酸化・還元は酸・塩基とともに化学反応の理解のうえでもっとも重要な概念となっている。
[岩本振武]
哲学のすべての問題は、結局、「世界と人間」という問題に帰着し、しかもその際、人間が経験し知る限りでの世界は、人間の意識体験を通して「現象」する以外にない。意識とよばれる自然の光なしには、なにものも照らされ開示されはしない。それゆえ、「意識」に世界経験(事物経験や他者経験)の可能性の制約、根拠を求めるのは、デカルトやカント以来、哲学の常道である。フッサールの「現象学的還元」理論によれば、意識=現象のうちに世界が現出してくる機制、世界現象の可能性の制約をみるためには、「できあがった」対象物から、それを「本源的に与える」意識にすべてをまず「還元」すべきである。
なお、現象学とは別に論理実証主義でいわれる還元もあるが、これは、科学上の有意味な概念や命題が、形而上(けいじじょう)学的な主張とは違って、検証可能な観察命題の集合に「還元」可能であることをさす。
[山崎庸佑]
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…狭義の定義として,物質が酸素と結合することを酸化oxidationといい,酸化物が酸素を失うことを還元reductionという。たとえば,銅Cuを空気中で加熱すると, 2Cu+O2―→2CuOの反応をして酸化銅CuOとなる。…
※「還元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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