(読み)ロウ

デジタル大辞泉 「陋」の意味・読み・例文・類語

ろう【陋】[漢字項目]

[音]ロウ(漢)
場所が狭苦しい。「陋屋陋居陋巷ろうこう
心が狭く卑しい。「陋習陋劣頑陋愚陋固陋孤陋卑陋

ろう【×陋】

場所が狭いこと。また、心・見識が狭いこと。
改名主あらためなぬしの図書検閲が―を極めている例として」〈芥川戯作三昧

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精選版 日本国語大辞典 「陋」の意味・読み・例文・類語

ろう【陋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 場所が狭いこと。また、見識が狭いこと、あるいは卑しいこと。醜いこと。また、そのようなさまや人。〔語孟字義(1705)〕
    1. [初出の実例]「陋なり。名に汲々たるは、猶を利に汲々たるがごとし」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)五)
    2. [その他の文献]〔論語‐子罕〕

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普及版 字通 「陋」の読み・字形・画数・意味


9画

(異体字)
10画

[字音] ロウ
[字訓] せまい・いやしい・ひくい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ろう)。側陋の意がある。〔説文〕十四下に「陜(やくけふ)なり」とあって、狭隘のところをいう。十二下に「側なり」というのは、隠れる意であるらしく、〔史記、宋世家〕「乃ちの祀を陋す」とは、神への犠牲を盗んで匿す意であろう。陋は神梯の象である(ふ)に従い、その聖域のものを盗む行為で、もっとも陋劣のこととされた。のち身分や性行に関して用い、また陋・陋居のようにいう。〔論語、子罕〕に「君子之れに居らば、何の陋か之れらん」という語がある。

[訓義]
1. せまい、小さい。
2. いやしい、ひくい。
3. かろんずる、いやしむ。
4. ものおしむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕陋 イヤシ・イヤシム・ヒキカクス・ツタナシ・セハシ 〔字鏡集〕陋 アヤシ・ツカフ・セハシ・カクス・カタクナナリ・ヒキ・ツタナシ・ミニクシ

[語系]
陋・・漏・瘻・僂loは同声。みな弊陋の意を含み、一系の語と考えられる。

[熟語]
陋宇・陋屋・陋館陋規・陋器・陋愚・陋見・陋固・陋陋識・陋室・陋質陋儒・陋習陋醜・陋小・陋心・陋身・陋浅陋賤陋俗陋態・陋忠・陋薄陋鄙・陋邦・陋目陋閭・陋劣陋廬
[下接語]
阨陋・隘陋・闇陋・寡陋・寒陋・頑陋・虚陋・狭陋・窶陋・愚陋・妍陋・固陋・孤陋・至陋・室陋・質陋・醜陋・寝陋・陋・浅陋・賤陋・側陋・俗陋・短陋・薄陋・卑陋・鄙陋・微陋・貧陋・陋・敝陋・僻陋朴陋・昧陋・末陋・野陋・庸陋矮陋

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