精選版 日本国語大辞典 「青龍」の意味・読み・例文・類語
しょう‐りゅう シャウ‥【青龍】
(「しょう」は「青」の呉音)
[1] 〘名〙
② 「しょうりゅうき(青龍旗)」の略。
※高野本平家(13C前)五「左青龍(さシャウリウ)、右白虎(うはくこ)、前朱雀、後玄武、四神相応の地也」
④ 青い龍。中国で瑞兆とする。蒼龍。せいりょう。
※観智院本三宝絵(984)中「秋汝かくにの太子本(もと)は此山の念禅師青龍の車に乗て」
[2]
[二] 中国青龍寺の略称。また、そこに住した僧、たとえば良賁などをさすこともある。
※依憑天台集(816)序「著有法相宗者、非二僕陽之帰依一、揆二青龍之判経一、㝡澄南唐之後、禀二此一宗一」
せい‐りょう【青龍】
(「りょう」は「龍」の正音、「りゅう」は慣用音)
[1] 〘名〙
① 東方の守護神。中国、漢代のころ、西方の白虎、南方の朱雀(朱鳥)、北方の玄武と共に四方に配した四神(四獣)の一つ。青は五行説で東方の色を示す。龍形。蒼龍。しょうりゅう。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二「汝両腕の青龍(〈注〉ホリモノ)を視よ、乃ち余輩の招牌(〈注〉かんばん)也」
※落語・嚔講釈(1900)〈初代三遊亭金馬〉「金の青龍(セイリョウ)の前立物打ったる金の六十四間の筋兜」
② 朝廷の儀式や行列の際に用いる旗の名。せいりょうき。しょうりゅうき。しょうりゅう。〔礼記‐曲礼上〕
③ 地相・家相の用語。理想的な地形として、家の左方(東)に流水のあることをいう。しょうりゅう。
※作庭記(1040頃か)「又池ならびにやり水の尻は、未申の方へいだすべし。青龍の水を白虎の方へ出すべき故也」
④ 青い龍。中国で、めでたいしるしとする。蒼龍。しょうりゅう。
※聖徳太子伝暦(917頃か)下「去年秋時、子国太子元念禅法師、駕二青龍車一」 〔淮南子‐覧冥訓〕
[2] 中国の天文学で、二十八宿のうち、東方にある七宿の総称。東方七宿の星が龍形をなすと考えたところから、この名を生じたという。また木星をいう。蒼龍。しょうりゅう。
せい‐りゅう【青龍】
〘名〙 (「りゅう」は「龍」の慣用音)
① =せいりょう(青龍)〔いろは字(1559)〕
※一目玉鉾(1686)一「むかし爰に永代渕とて青竜(セイリウ)の住て人をなやましける」
② 「せいりゅうとう(青龍刀)」の略。
※雑俳・柳多留‐一二〇(1832)「青龍と菖蒲和漢らぬ取り合せ」
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