非ヘム鉄蛋白質(読み)ヒヘムテツタンパクシツ

デジタル大辞泉 「非ヘム鉄蛋白質」の意味・読み・例文・類語

ひヘムてつ‐たんぱくしつ【非ヘム鉄×蛋白質】

鉄原子をヘム基の形で含まない鉄たんぱく質総称動物肝臓膵臓すいぞうなどで鉄の吸収貯蔵に関与するフェリチン光合成電子伝達系を担うフェレドキシンが知られる。→ヘムたんぱく質

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「非ヘム鉄蛋白質」の解説

非ヘム鉄タンパク質
ヒヘムテツタンパクシツ
non-heme iron protein

鉄タンパク質の一種ヘムタンパク質とは異なり,鉄原子が直接タンパク質に結合しているタンパク質の総称.酸化還元反応に関与するものでは,
(1)非ヘム鉄のみを含有するもの,
(2)非ヘム鉄のほかにフラビンアデニンジヌクレオチドフラビンモノヌクレオチドなどのフラビンを含有するもの,
がある.
(1)には葉緑体中のフェレドキシン,またはミトコンドリア中で電子伝達作用を有するものと,ピロカテカーゼなどカテコール誘導体に酸素を添加(開環)する反応を触媒するものがある.
(2)は鉄フラビン酵素ともいわれ,スクシナートデヒドロゲナーゼ,NADH脱水素酵素,キサンチン酸化酵素などがある.
これらのほかに鉄貯蔵の役割を果たすフェリチン,酸素運搬作用を有するヘムエリトリンも非ヘム鉄タンパク質の一種である.ヘムタンパク質に比べて研究の歴史は浅い.[別用語参照]鉄-硫黄タンパク質

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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