鵜田里(読み)うだのさと

日本歴史地名大系 「鵜田里」の解説

鵜田里
うだのさと

「日本霊異記」巻中第三九にみえる里名。同書に駿河遠江国境を流れる大井河の上流に「鵜田の里」があり、遠江国榛原郡部内とある。説話では天平宝字二年(七五八)に一人の僧が砂中より薬師仏を発見し、鵜田里に建てた堂に祀ったところ、験ありて道俗が帰敬したという。現島田市野田のだ鵜田寺があり関係が想定されるが、大井川(現在の伊太谷川から栃山川)北岸に位置する同寺は駿河国内であり、同寺の大永五年(一五二五)五月八日の年紀をもつ鰐口銘にも「駿河国大津本庄志田郡野田村鵜田寺薬師堂」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android