鶏知村(読み)けちむら

日本歴史地名大系 「鶏知村」の解説

鶏知村
けちむら

[現在地名]美津島町けち

現町域の南東部にあり、上見かみ坂を水源とする知川が流れ、知浦に注ぐ。府中ふちゆう(現厳原町)まで二里一六町という(津島紀略)河口高浜たかはまは東海岸の良港で、九州や瀬戸内への海路に通じている。北のたるはま浅海あそう(浅茅湾)に望む船着場で内海航路の起点となっており、浅海を出て外海にも通じ、上県方面や朝鮮半島への渡航に都合がよい。「魏志倭人伝」に船に乗って南北に市糴するとあるように九州と朝鮮を股にかけて交易した当時、対馬の中心が仁位にい(現豊玉町)から知に移ったらしいのは東西に船着場をもち、交通の要衝を占めた当地の地理的条件によるものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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