特別な用途や応用を考慮せずに、仮説や理論の発見に重点を置いた研究活動。自然現象や観察に基づく事実について、新しい知識を得るために行われる。一般的に時間と労力、費用がかかり、大学や国の研究機関が担うことが多い。基礎研究で発見された知識を利用して、革新的な技術や製品の開発など特定の目標を定めて実用化を探るのが応用研究。
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日本では,基幹統計である科学技術統計調査において「特別な応用,用途を直接に考慮することなく,仮説や理論を形成するため,又は現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的又は実験的研究」と定義されている。このように研究の用途や,応用研究や開発(研究)と対比した研究段階における位置付けから整理を行うのは,OECDや諸外国でも同様である。かつては基礎科学や純粋科学といわれていたが,第2次世界大戦後,基礎研究,応用研究,開発(研究),そして実用化・社会実装等による社会還元が連続するという研究のリニアモデルの台頭や,科学論の変化等によって用いられるようになった。分野にもよるが,基礎研究は公共財とされ,日本では学術研究の中心である大学が大部分を担っている。近年,特別な応用,用途を考慮した基礎研究(ドナルド・ストークスDonald E. Stokesの研究分類により,パスツール型という)が,イノベーションに資するとして注目が集まっている。
著者: 榎孝浩
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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