中国,清代の全国地誌。皇帝の命令によって編纂され,時期を異にして3種の版本が刊行された。最初の版本は康煕帝の命により徐乾学等によってつくられた356巻本で,1743年(乾隆8)に完成,翌年武英殿で刊刻された。第2の版本は,64年和坤(わこん)等に増訂が命じられ,20年後に完成,その後90年(乾隆55)に武英殿で刊刻された。乾隆29年勅撰本は,本来424巻であるが,今日流布の多い光緒24年,同27年の石印本は500巻に改編されている。第3の版本は穆彰阿(ぼくしようあ)等の編纂になり,嘉慶16年(1811)の奏請,同17年の諭旨にはじまり,1842年(道光22)に560巻本として完成,そのまま印刷されずにいたが1934年《四部叢刊続編》の一種として刊行された。いわゆる《嘉慶重修一統志》で,歴代中国全志中出色の豊富充実した内容で,単に清代地理資料としてだけでなく,中国歴代の歴史地理研究の重要な資料とされる。
→一統志
執筆者:船越 昭生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
中国、清(しん)代に政府事業として編集された地理書。全領土の自然、人文地理を行政区画別に記述し、終わりに朝貢各国としてほとんど全世界のことを付説している。三度つくられ、最初は1743年に完成。第二は1764年から20年をかけてつくられた。第三は1842年に完成したが、内容は1820年で止まっているので『嘉慶(かけい)重修一統志』という。これは560巻で、もっとも体裁が整い内容も充実している。
[日比野丈夫]
清朝の全版図にわたる地方志の集大成。康熙(こうき)帝の勅命で1743年に完成した356巻の初版本,18世紀末完成の424巻の増訂本や,『嘉慶(かけい)重修一統志』で知られる560巻本がある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…字は朏明(ひめい),浙江省徳清県の人。地理学と易学とに詳しく,前者では,徐乾学(1631‐94)を総裁とする《大清一統志》の編纂に参加し,さらに彼自身も最古の地理書である《尚書》禹貢篇を研究し,漢代以来の水流の変遷を明らかにした《禹貢錐指(すいし)》20巻を著した。後者では,《易図明弁》10巻で,朱子学者が尊んだ〈河図洛書〉〈太極図〉は後世の道士の手に成るもので信用できないことを説き,以後これが定説となった。…
※「大清一統志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新