為替相場(読み)カワセソウバ

デジタル大辞泉 「為替相場」の意味・読み・例文・類語

かわせ‐そうば〔かはせサウば〕【為替相場】

外国為替相場」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「為替相場」の意味・読み・例文・類語

かわせ‐そうばかはせサウば【為替相場】

  1. 〘 名詞 〙 外国為替の価格。自国通貨と外国通貨の交換比率をいう。為替率。為替レート
    1. [初出の実例]「為替相場低落したりとて、其の変動の熄まざる限りは」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893)一二月二九日)

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百科事典マイペディア 「為替相場」の意味・わかりやすい解説

為替相場【かわせそうば】

為替レートとも。異なる通貨の交換比率であるが,実際上は外国為替手形の取引相場である。1ドル=110円のような邦貨建(支払勘定建)と100円=90.9セントのような外貨建(受取勘定建)の建て方がある。為替は為替の需給,各国金利,国の経済の基礎的条件などによって変動する。為替相場は電信為替相場が中心をなすが,売相場と買相場直物(じきもの)為替相場先物(さきもの)為替相場などいろいろな観点から分類される。1985年秋の主要5ヵ国蔵相会議(G5)におけるプラザ合意,1986年5月の7ヵ国蔵相会議(G7)で為替不均衡是正が討議されて以来,の対ドルレートは140円台から1995年には一時80円台に突入するなど急激な円高が進んだ。その後,米国経済の好調を基調に105円前後を中心に,変動を伴いながら推移してきたが,2008年米国の金融危機をきっかけとした世界同時不況のなかで90円台前半と一気にドル安円高が進み,自動車を中心に輸出依存度の高い日本経済を直撃した。→為替相場の決定要因目標相場圏構想
→関連項目アセットバランス・アプローチアブソープション・アプローチ外国為替外国為替市場為替裁定為替差損益為替清算協定為替ダンピング為替平衡資金為替リスク協調介入金現送点クロス・レート実質為替レート実勢為替レート支払勘定建相場単一為替レート電信為替投機ファンダメンタルズ変動為替相場

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改訂新版 世界大百科事典 「為替相場」の意味・わかりやすい解説

為替相場 (かわせそうば)
exchange rate

外国為替の価格,あるいは外国通貨と自国通貨との交換比率のこと。為替レートともいう。この交換比率を表す方法,すなわち為替相場の建て方には基本的に2種類ある。ひとつは,外国通貨1単位が自国通貨の何単位に当たるかで表すもので,これを内貨建て(日本の場合に限っていえば邦貨建て)という。たとえば,現在の日本で採用されている1ドル=250円というような表し方である。これに対し,イギリスで行われているような,1ポンド=2.4ドルという形で,自国通貨が外国通貨の何単位に当たるかで表す方法を外貨建てという。ここで,為替相場が内貨建てであるか外貨建てであるかによって,相場の騰落の表れ方が異なる点に注意しなければならない。本来,為替相場の騰落とは自国通貨の対外価値の騰落の意味に使うべきであるが,内貨建ての場合,相場の形式的上昇・下落が対外価値の騰落とは正反対になるのである。たとえば,1ドル=250円から1ドル=200円になることは,数値の上では相場は下落しているが,その意味を考えれば,より少ない円で同じ1ドルが購入できるわけであるから,円の対外価値は上昇している,すなわち〈円高ドル安〉になっているのである。なお,外貨建ての場合は相場騰落の意味上の誤解はない。

 為替相場は外国為替市場における需要・供給関係によって決定されるが,外国為替市場の中心となるのが,外国為替ブローカーを仲介として外国為替銀行間で取引が行われる銀行間取引市場(インターバンク・マーケット)である。この市場で決定される為替相場をインターバンク・レートまたは市場相場という。為替銀行が商社などの顧客と取引する際の対顧客相場は,このインターバンク・レートをもとに売買手数料,為替リスク料,金利などを織りこんで決定される。対顧客相場には,為替銀行が顧客に外国為替を売る場合に適用される売相場と,顧客から買う場合に適用される買相場とがある。外国為替銀行が外国為替を顧客から安く買って高く売ることによって収益をあげる以上,内貨建てで考えて売相場が買相場を上まわることはない。また外国為替には,外国為替と自国通貨の受渡しが契約と同時または数日中に行われる直物(じきもの)為替と,契約後の一定期日に行われる先物(さきもの)為替とがある(直物為替・先物為替)。直物為替に適用される為替相場が直物相場であり,先物為替に適用される為替相場が先物相場である。

 すでに述べたように,為替相場は外国為替市場の需要・供給関係によって決定されるが,この需要・供給の力の現れ方は,その国の採用している為替相場制度によって異なる。それらの為替相場制度には,大きく分けて,自由変動為替相場制変動相場制),金本位制管理為替相場制の3種類がある。(1)変動相場制は,現行の制度で,為替相場の決定がまったく市場の力にゆだねられるものであり,外国為替の需要が供給を上まわれば外国為替の価格は上昇し,下まわれば下落するという調整メカニズムが働いて需要と供給が均衡する点で為替相場が決定される。したがって,需要・供給に影響を与えるなんらかの要因の変化によって為替相場が短期的に大きく変動することもありうる。外国為替の需要・供給に影響を与える諸要因の解明は為替理論の課題である。(2)金本位制のもとでは,各国の通貨は一定量の金と結びつけられていたため,2国の通貨の間の交換比率はそれぞれの通貨の金含有量を媒介として算出することができた。この金平価が2国間の為替相場の基準となり,金現送(〈金本位制度〉の項参照)のメカニズムによって為替相場はこの基準から大きく乖離(かいり)することはなかった。その意味で金本位制は固定為替相場制固定相場制)の代表的なものである。(3)管理為替相場制は,各国の通貨当局が,外国為替市場に介入して,為替相場を安定化する制度である。代表的なものとしては,第2次大戦後のIMF体制がある。この制度のもとで,日本は1ドル=360円の相場を1971年まで維持しつづけた。ただし,IMF体制下では,基礎的不均衡が生じた場合,為替平価を変更することが認められており,この点において金本位制とも異なる。
外国為替市場 →為替相場政策 →為替理論 →平価
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「為替相場」の意味・わかりやすい解説

為替相場
かわせそうば

外国為替相場

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「為替相場」の意味・わかりやすい解説

為替相場
かわせそうば

「為替レート」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の為替相場の言及

【外国為替】より

…しかしながら,このような形で2組の同額の債権・債務関係が出合うことはきわめて偶然でしかありえないであろう。しかも,これら2組の債権・債務関係の決済時点が一致することもきわめてまれであろうし,また日本においてAが最終的に受け取ることを予定している10万ドルの円貨額は,Cが支払おうとしている円貨額とは,それぞれの取引に適用される為替相場が異なるため,一般に異なるであろう。そこで,このような債権・債務関係を集中してそれらを相殺する機関の登場が経済的にみて必然となろう。…

【金本位制度】より

… 各国が金本位制を採用することによって国際金本位制が成立する。ここでは固定為替相場が成立する。各国の法定平価が決まっているから,金を仲介項として各国通貨の交換比率,すなわち為替相場が計算上決定される。…

【国際資本移動】より

…さらに資本移動は投機的資本移動とそうでないものとに区別する。投機的資本移動とは,為替相場の短期的上昇による利潤(為替差益,キャピタル・ゲイン)を求めて,相場の上昇が予想される国へ資本を移動させることである。逆にいえば,為替相場の変動からくる損失(為替差損)を避けるため起こる資本移動といってもよい。…

※「為替相場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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