精選版 日本国語大辞典 「金平糖」の意味・読み・例文・類語
コンペイトー【金平糖タウ・金米糖タウ】
- 〘 名詞 〙 ( [ポルトガル語] confeito 金平糖・金米糖はあて字 )
- ① 南蛮(なんばん)菓子の一つ。飴の小核を芯にして、まわりに糖蜜をまぶし、加熱しながら攪拌してつくる、小粒の菓子。周囲に角状の突起があるが、これは加熱・攪拌の際に自然にできる。古くは、芥子粒(けしつぶ)や胡麻を芯に用いた。コンペイ。
- [初出の実例]「上戸には、ちんた、ぶだう酒〈略〉下戸には、かすていら、ぼうる、かるめひる、あるへい糖、こんへい糖など」(出典:太閤記(1625)或問)
- ② タマキビガイ科の巻き貝。紀伊半島以南の岩礁の潮上帯に分布する。殻は円錐形で、殻高約一・五センチメートル。殻は淡い肉色で、殻表全面に先端のとがった白い顆粒(かりゅう)列がある。
- ③ ダンゴウオ科の海産魚。全長約一〇センチメートル。体は丸く、全身に大小のいぼ状突起がある。体色は変異に富むが淡紅色のものが多い。ふだんは水深八〇~一五〇メートル付近に住むが、産卵期には岸近くの浅海域に移動する。日本海、北海道太平洋岸、オホーツク海からアラスカ湾に分布。
金平糖の語誌
①の日本への舶来は、永祿一二年(一五六九)に、ポルトガルの宣教師ルイス=フロイスが織田信長に贈った〔耶蘇会士日本通信‐一五六九年六月一日〕のが、最初とされている。元祿頃(一六八八‐一七〇四)には大坂で作られていたが、江戸に製法が伝わったのは文政頃(一八一八‐三〇)。江戸中期には大名の茶菓子であったが、明治時代には、高級菓子として一般家庭の来客用、贈答品などに用いられた。