《アンティゴーヌ》(読み)あんてぃごーぬ

世界大百科事典(旧版)内の《アンティゴーヌ》の言及

【アヌイ】より

…初期作品はいずれも金銭や因習に毒された俗物的な社会に対する純粋な若者の反抗と敗北を日常的で強烈なせりふによって描く。特に,第2次大戦中に上演された《アンティゴーヌAntigone》(1944)では既成の法を代表するクレオンにあくまで反抗して自ら死を選ぶアンティゴーヌが,占領下のパリの観客に抵抗運動の象徴と受け取られて絶賛される一方,劇の契機を登場人物の性格や心理ではなく,状況の中での選択に求めた点で実存主義的な悲劇としても評価された。以後,ジャンヌ・ダルクを主人公にし,史実を自由に現代化した《ひばり》(1953)から,女性解放運動を皮肉った最近作《ズボン》(1979)に至るまで,やや通俗的だが円熟した作劇術を駆使して社会風刺劇を書き続けてきた。…

【アンティゴネ】より

…しかし彼女は禁を犯して長兄の葬礼を行ったため,捕らえられて地下の墓場に生きながら葬られ,みずから縊死(いし)した。この話はソフォクレスの2編の悲劇《コロノスのオイディプス》と《アンティゴネ》で有名であるが,新しくは,コクトーによるオペラ《アンティゴーヌ》の台本(オネゲル作曲,1927初演)や,ジャン・アヌイの悲劇《アンティゴーヌ》(1944初演)でも取り扱われている。【水谷 智洋】。…

※「《アンティゴーヌ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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