《出雲阿国伝》(読み)いずものおくにでん

世界大百科事典(旧版)内の《出雲阿国伝》の言及

【出雲のお国】より

…巷説では出雲大社の巫女(みこ)とされているが,地方から京に上った歩き巫女の一人であったとする説や,洛北出雲路河原の時宗鉦打聖の娘との説もある。江戸時代を通してさまざまに伝えられてきたお国伝説の集大成ともいうべき《出雲阿国伝》によれば,お国は出雲国杵築の鍛冶職中村三右衛門の娘で,永禄(1558‐70)のころ出雲大社修覆勧進のために諸国を巡回したところ,容貌美麗で神楽舞に妙を得ていたので評判となり,京に上って歌舞伎踊を考案し,織田信長や豊臣秀吉,越前中納言秀康などに召し出されて寵愛されたということになっている。確実な資料にとにかく〈国〉の名が出るのは,1600年(慶長5)京都近衛殿において〈クニ〉と〈菊〉という2人が雲州(出雲国)のややこ踊を演じたとあるのが最初である(《時慶卿記》)。…

※「《出雲阿国伝》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android