《美の祭典》(読み)びのさいてん

世界大百科事典(旧版)内の《美の祭典》の言及

【映画】より

… ナチス・ドイツの宣伝相ゲッベルスがいち早く〈映画局〉を設置し,クラカウアーによれば〈戦争が起るとすぐに,ドイツ宣伝省は,ニュース映画を戦争宣伝の効果的な道具にするために,可能なあらゆる手段を用いた〉ことも重要な映画史的事実である。ヒトラーがF.ラングに〈ナチ映画〉を作らせようとしたこと,アメリカに渡って国際的なスターになったマルレーネ・ディートリヒを呼びもどして〈第三帝国のスター〉に迎えようとしたこと,さらに〈ドイツ女性の完ぺきな典型〉とヒトラー自身が呼んだレニ・リーフェンシュタールに,オリンピック映画《民族の祭典》と《美の祭典》(ともに1938)を作らせて,ナチの力を世界に誇示することに成功したこともよく知られている。アメリカ合衆国政府も,第2次大戦中は,マーシャル将軍の指令により,フランク・キャプラ監修による有名な戦意昂揚映画シリーズ《われらはなぜ戦うか》(1942‐44)を作った。…

【リーフェンシュタール】より

…ベルリンに生まれ,美術を学んだのちバレリーナとしてマックス・ラインハルトの指導をうけ,アーノルト・ファンク監督に認められて山岳映画(《聖山》1925,《死の銀嶺》1929,《白銀の乱舞》1931,等々)に主演,ハンガリー生れの映画脚本家・理論家ベラ・バラージュの協力をえて,イタリアのドロミティ地方の山岳伝説を題材にした《青の光》(1932)を監督,主演する。ヒトラーに信頼され,1933年にニュルンベルクで開かれたナチス党大会の記録映画《信念の勝利》,つづいて34年党大会の《意志の勝利》,36年のベルリン・オリンピック映画《オリンピア》(《民族の祭典》と《美の祭典》の二部作。1938)をつくって,ドキュメンタリー映画史上の金字塔を打ち立てた。…

※「《美の祭典》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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