世界大百科事典(旧版)内の《花王以来の花伝書》の言及
【いけばな】より
…室町期の立花の様相を伝える《仙伝抄》に谷川流と記載のあるのは,公家邸において花を立てた谷川入道某の伝であろうし,これらの人々の活躍によって草創期のいけばなは,立花という法式を備えたいけばなを出現させる。このような立花成立への試行期には,立花よりもより自由な景観描写的ないけばなも存在していたようで,現在最も古い花書ではないかと考えられる《花王以来の花伝書》には,〈岸くづれの花〉や室外の縁に置いたいけばなが見られ,前栽との関連が注目される。 日本のいけばなが明確な理念をもって歴史の上に登場するのは,《池坊専応口伝》によってである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」