《落噺笑富林》(読み)おとしばなしわらうはやし

世界大百科事典(旧版)内の《落噺笑富林》の言及

【太田道灌】より

…【下村 信博】 道灌が鷹狩りに出て雨に遭い,蓑を借りようとしたとき,若い女にヤマブキをさし出され,それが〈七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき〉という古歌(《後拾遺集》雑)の意だと知り,無学を恥じたという逸話は《常山紀談》(湯浅常山著,元文~明和ころ成立)や《雨中問答》(西村遠里著,1778)等に記されて著名。この話をもじって1833年(天保4)刊《落噺笑富林(おとしばなしわらうはやし)》(初世林屋正蔵著)中に現在伝えられる落語《道灌》の原形ができあがった。歌舞伎では1887年3月東京・新富座初演《歌徳恵山吹(うたのとくめぐみのやまぶき)》(河竹黙阿弥作)がこの口碑を劇化,賤女おむらは道灌に滅ぼされた豊島家の息女撫子で,父の仇と道灌に切りかかる趣向になっている。…

※「《落噺笑富林》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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