ウレーデ,W.(読み)うれーで

世界大百科事典(旧版)内のウレーデ,W.の言及

【イエス伝】より

…その一つは,ワイスJohannes Weiss(1863‐1914)の《神の国についてのイエスの説教》(1892),およびワイスをより徹底させたA.シュワイツァーの〈徹底的終末論〉(《イエス伝研究史》1906)によって,イエスの〈神の国〉の説教の持つ終末論的超越性が同時代のユダヤ教黙示文学の歴史理解と終末待望の背景から明らかにされたことである。さらには,《マルコによる福音書》自体が全体として一定の神学的理念=〈メシアの秘密〉によって貫かれており,イエス伝の史的再構成のための基礎史料とはなりえないことが,ウレーデWilliam Wrede(1859‐1906)の画期的著作《福音書におけるメシアの秘密》(1901)によって明らかにされた。 その後1920年代に確立された様式史的研究方法は,福音書が素材としている古くからの口頭伝承の大部分が元来イエスの史実を伝えるものではなく,彼の死後成立した原始教団の復活信仰と分かちがたく結合していることを示した。…

【宗教史学派】より

…1880年代の終りに,古代キリスト教を宗教史的方法によって解明しようとしてドイツの一群のプロテスタント神学者が始めた学問的運動とそのサークル。代表者は年長順に,アイヒホルンA.Eichhorn,ウレーデW.Wrede,ライツェンシュタインR.Reitzenstein,グンケル,ブセット(ブーセ)W.Bousset,トレルチなど。彼らは宗教への内的共感から宗教の生きた発展の姿をとらえようとする宗教史的方法をとくに原始キリスト教に適用し,その祭儀や思想の奥にある霊的・内的敬虔としての宗教性が周辺の世界の宗教に連なることを文献学的に究明しようとした。…

※「ウレーデ,W.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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