オージエ,É.(読み)おーじえ

世界大百科事典(旧版)内のオージエ,É.の言及

【ウェルメード・プレー】より

…フランス語ではpièce bien faiteといい,文字どおりには〈よく作られた戯曲〉を意味するが,普通は,緊密な構成をもち,人物の個性よりも巧みに組み立てられた状況によってプロットが進行する戯曲を指す。19世紀のフランスで確立し,スクリーブEugène Scribe,V.サルドゥー,A.デュマ(子),オージエÉmile Augierなどをおもな書き手とする。おおむね,過去の秘密がしだいに明らかになって中心人物の現在の生活に決定的な影響を及ぼすという物語を,観客を不安がらせたり驚かせたりしながら進行させ,また,結末は既成の道徳観に合致するのが普通である。…

【近代劇】より

…〈近代劇〉を欧米語,たとえば英語に直せばmodern drama,あるいはmodern theatreとなろう。だがこの語を逆に日本語に訳そうとすると,〈近世劇〉〈近代劇〉〈現代劇〉の3通りの訳語が出てくる。ところが日本語の〈近代劇〉は〈近世劇〉(〈古典劇〉)とも〈現代劇〉とも対立する(〈現代劇〉は〈時代劇〉の反対語としても使われる)。これは欧米語でmodernと呼ばれる時代が,その始まりをルネサンス期,19世紀,20世紀のいずれにおいても今日までの時代を覆うのに対して,日本語の〈近世〉は〈近代〉以降を含まず,〈近代〉は〈現代〉を含まないからである。…

【フランス演劇】より

…《アンリ3世とその宮廷》など)がまず一時代を画した後,第二帝政成立前後,1850年代には小デュマの《椿姫》(1852初演)を嚆矢とする〈同時代風俗劇〉が劇場を支配する。小デュマ,オージエÉmile Augier(1820‐89),V.サルドゥーが同時代ブルジョアジーの金や性や家族を扱うこの劇作の御三家であり,この現象が19世紀演劇の第2の転機となる。同時代風俗劇は,社会問題を扱う深刻な〈劇(ドラム)〉としては,H.ベックの写実主義劇作術とÉ.ゾラの自然主義演劇へと発展し,逆転と飛躍に満ちた軽喜劇としては,スクリーブEugène Scribe(1791‐1861)の〈歌抜きボードビル〉を受けて〈喜劇としてのボードビル〉を完成させたE.ラビッシュとそれを継ぐG.フェードーに,あるいは第二帝政期パリの華であるJ.オッフェンバックのオペレッタに結実する。…

※「オージエ,É.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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