円硯(読み)えんけん

世界大百科事典(旧版)内の円硯の言及

【硯】より

…元来,朝鮮は,中国のようなすぐれた硯材には恵まれないが,その中では渭原(いげん)石,大同江石,海州石(甕津(おうしん)石),鐘城石,藍浦(らんぽ)石などが比較的良材とされている。古く楽浪郡時代には彩篋塚出土硯のように,漢式の石硯が行われ,新羅,百済のころには唐と同じような陶製の風字硯や円硯が用いられた。日本の出土硯の中にも,新羅系,百済系のものがあり,朝鮮からもたらされたものと考えられる。…

【硯箱】より

…中国では筆墨硯紙など個々の文具を珍重し,硯に脚を付けたり,硯台と称する置き用具や硯の形にしつらえた蓋を伴うのが伝統であった。日本で奈良時代から平安時代にかけて用いられた硯も同様で,平城宮跡から出土している台脚付円硯や大阪府道明寺天満宮の伝菅原道真遺品〈白磁円面硯〉にみるように,中国以来の形を踏襲している。硯箱が作られるようになるのは平安時代後半で,早くとも10世紀前半のころと考えられる。…

※「円硯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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