市川団十郎(初世)(読み)いちかわだんじゅうろう

世界大百科事典(旧版)内の市川団十郎(初世)の言及

【荒事】より

…実方と敵役とを兼ねた初世村山平十郎のような役者が,金平のイメージを介して,悪の力を善のそれへと転換させて生み出したもの。ここからさらに,実・悪の双方を兼ね,奴芸をも身に備えた初世市川団十郎が,御霊神の威力ある祝福性を受けとめて,《暫》の主人公に代表されるような,市川流の荒事を創始した。歌舞伎十八番御霊(ごりょう)信仰実事和事【今尾 哲也】。…

【歌舞伎】より

…〈事(こと)〉と呼んだ,演技・演出の類型が数多く形成された。江戸では,初世市川団十郎が創始したとされる荒事(あらごと)が,武士階級を中心に形成された新興都市の荒々しい気風に合致して喜ばれ,非常な人気を獲得した。一方,京都では,初世坂田藤十郎を代表として,初期歌舞伎の傾城買の狂言の伝統を受け継ぐ和事(わごと)の演技様式が確立する。…

【丹前】より

…この系統のもので現在残っているものに,常磐津節の《三人形(みつにんぎよう)》,清元節の《土佐絵》,荻江節の《金谷丹前(かなやたんぜん)》《水仙丹前》,長唄の《高砂丹前》《廓丹前》《鞘当》《供奴》《元禄花見踊》などがあり,これらを一括して〈丹前物〉という。〈丹前〉を演技術として歌舞伎で初めて見せたのは多門庄左衛門(生没年不詳,1660年江戸で活躍)といわれ,初世市川団十郎を〈丹前開山〉と記すものもある。【鳥越 文蔵】。…

※「市川団十郎(初世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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