押出し(近代史)(読み)おしだし

世界大百科事典(旧版)内の押出し(近代史)の言及

【足尾鉱毒事件】より

…この示談工作と日清戦争の勃発により鉱毒反対運動は一時後退するが,96年9月未曾有の大洪水が発生し,鉱毒被害は栃木,群馬の2県から茨城,埼玉,さらには東京,千葉にも拡大したため,田中正造らは被害地の町村長や有志活動家を中心に鉱毒反対運動を再編強化し,〈対政府鉱業停止運動〉として確立させた。97年3月数千の農民が2回にわたって東京に〈押出し(大挙上京請願運動)〉をはかり,政府に直接請願を行い,鉱毒問題は一大社会問題となった。政府は第1次鉱毒調査委員会を設置し,古河に鉱毒予防工事命令を下し(以後,全国の鉱山に不十分ながら鉱毒予防施設の設置が義務づけられた),農民には翌98年に地租の減免措置をとった。…

【田中正造】より

…91年12月の第2議会で最初の足尾鉱毒問題についての質問を行う一方,北海道炭礦鉄道会社問題など内政,外交両面にわたり藩閥政府を痛烈に批判。日清戦争後鉱毒被害の拡大,激化にともない,被害農民の〈押出し〉(大挙上京請願運動)と議会活動とを結合して政治闘争を展開。1901年権力の大弾圧(川俣事件)によって退潮した鉱毒反対運動を活性化するため,議員を辞職し12月10日天皇に直訴(直訴状の執筆は幸徳秋水に依頼)。…

※「押出し(近代史)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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