格調説(読み)かくちょうせつ

世界大百科事典(旧版)内の格調説の言及

【古文辞】より

…その低迷を打破するために〈文は秦漢,詩は盛唐〉を標榜して,理想とする古人の詩文に模擬して作り,その〈格調〉をつかもうとした。その理論を〈格調説〉と称する。それは嘉靖・隆慶年間(1522‐72)の李攀竜(りはんりゆう),王世貞を中心とする〈後七子〉に継承され,とくに李攀竜の〈古色蒼然として,千篇一律〉な文学を生んだ。…

【沈徳潜】より

…ときあたかも清朝成立より100年,漢族知識人の満州王朝にたいする態度も,なにがしかの躊躇から積極的な協力へと転じつつあった。〈格調説〉とよばれるその詩論は,伝統的な格式と音調のもとに,詩が造化・施政・倫理との関係をたもつことを尊び,その温和な教育的効用を重んじた。明代の古文辞派の説をうけるものではあるが,古典の選択に対する態度はより寛容である。…

【李夢陽】より

…江西提学副使のとき,何景明と手紙で論争し,李夢陽は古めかしい表現の文学を理想とし,何景明は新しくみずみずしい表現の文学を理想とした。その論を〈格調説〉と称する。杜甫を理想として作った詩には,奔放に自己のなげきを打ちだしたロマンの詩があって,読む人の胸をうつ。…

※「格調説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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